出入国在留管理庁(在留管理課在留企画室)は2026年8月4日、永住許可の審査基準を見直す改定ガイドライン案と、永住者の在留資格取消しに関する新たなガイドライン案を公表し、パブリックコメント(意見公募)を開始した。提出期間は8月4日12時〜9月4日0時。本稿執筆時点(8月6日)では受付期間中で、いずれも案の段階であり正式決定・施行には至っていない。永住許可ガイドライン改定案の主なポイントは次のとおり。
- 永住者は、活動・期間の制限がなく生涯を本邦で過ごすことが想定される最も安定した法的地位であるとして、「特に慎重な審査を行う必要」があると案に初めて明記される見通し
- 独立生計要件の厳格化案:世帯収入が同世帯人員の日本人世帯の平均収入を継続的に上回ることを求める方向
- 年金要件の新設案:収入水準に応じた厚生年金の受給見込み額が加入期間30年相当に達しているかを確認し、不足分は金融資産で補える可能性があるとする
- 国益要件の運用強化案:永住が日本国に対して積極的かつ具体的な利益をもたらす必要があることを明記する方向
- 日本語要件の新設案:「CEFR(日本語教育参照枠)・B1相当(自立した言語使用者)」を求める方向
- 日本の制度・ルールの理解を考慮要素に加え、就学年齢の子どもが義務教育を受けていない場合はマイナス要素とする案
- 配偶者特例の厳格化案:日本人・永住者の配偶者等の特例要件を「婚姻3年・在留1年」から「婚姻5年・在留3年」に延長する案。原文は「原則10年在留に関する特例:日本人・永住者の配偶者等については、婚姻期間3年かつ本邦在留期間1年で特例的に認めていたところ、それぞれの期間を5年、3年に伸長」としている
2024年の改正入管法を踏まえた案で、これまで取消し事由は申請時の虚偽申告に限られていたが、永住者の在留資格取消しガイドライン案では新たに次の3つを加える案が示されている。
- 故意に税や社会保険料等の公的負担を支払わないこと
- 在留カードの更新・携帯・提示など入管法上の義務違反(病気や災害等の正当な理由がある場合を除くとされる)
- 窃盗・詐欺・恐喝・殺人・危険運転致死傷など特定の犯罪による拘禁刑(執行猶予付きを含むとされる)
いずれの改定も現時点では案であり、正式なガイドラインとして決定・施行されたものではなく、パブリックコメント(〜9月4日0時)の結果等により内容が変わる可能性がある。その上で案が示す適用時期は、収入関連の要素が2026年10月から、それ以外は2027年4月からとなっている。