出入国在留管理庁は2026年10月1日、「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」を公表し、あわせて「永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン」を策定した。8月4日から9月3日まで実施した意見募集を経たもので、案の段階の内容は既報で解説している。
- 意見募集の結果:e-Govの結果ページによれば、提出意見数は永住許可ガイドライン案が5180件、取消しガイドライン案が2850件。「提出意見を踏まえた案の修正の有無」は、いずれも「無」と記載されている。
- 適用はいつから(永住許可):同庁の「お知らせ」は申請時期で次のように区分している。
| 申請時期 | 適用されるガイドライン |
|---|---|
| 令和8年3月31日まで | 「令和8年2月24日改訂」 |
| 令和8年4月1日から令和9年3月31日まで(申請予定の方を含む) | 「令和8年2月24日改訂」。ただし「収入に関する部分のみ」、今回改定の第2の4(2)及び第2の5(7)を適用 |
| 令和9年4月1日以降 | 「令和8年10月1日改定」 |
- 申請中の案件:ガイドライン第6は、上記の収入関連の2項目について「本ガイドラインの改定日から6か月前の日以降の申請であって、かつ、改定日において申請中である案件にも適用します」と定める。改定日の6か月前は2026年4月1日。また、令和9年3月31日までの申請では、在留期間「3年」の人も「最長の在留期間をもって在留している」ものとして扱う経過措置がある。
- 主な内容:「特に慎重な審査を行う必要」、世帯年収が「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」に継続して達しているか、厚生年金の将来受給見込額(30年間加入した場合の水準)、国益要件での「積極的かつ具体的に」永住が利益をもたらすこと、「B1相当レベル以上の日本語能力」、「生活・就労ガイドブック」を中心とした制度・ルールの理解、義務教育段階の子の通学(「小学校又は中学校に通学していること」が求められ、これを満たすかを考慮要素とする)。日本人・永住者・特別永住者の配偶者の特例は、実体を伴った婚姻生活が5年以上継続し、かつ引き続き3年以上本邦に在留していることとなった。
- 取消しガイドライン:取消事由は「入管法に規定する義務を遵守しないこと、故意に公租公課の支払をしないこと、特定の刑罰法令違反により拘禁刑に処せられたこと」。義務違反には「正当な理由」がある場合の除外があり、「故意」は支払意思がないことが明白と認められる場合を指す。拘禁刑は「刑期の長短を問わず、拘禁刑の執行が猶予された場合も含まれます」。
- 直ちに出国とはならない:「直ちに在留資格を取り消して出国させるのではなく」職権で他の在留資格への変更を許可する仕組みで、「ほとんどの場合は、「定住者」の在留資格への変更を許可することを想定しています」。在留カードの更新失念や不携帯でも、「その一度の義務の不履行だけをもって在留資格を取り消すことは想定していません」とされる。運用開始は令和9年4月1日。
- 貢献者向けガイドラインは廃止:「我が国への貢献があると認められる者への永住許可のガイドライン」は令和9年3月31日をもって廃止される。
具体的な年収水準・受給年金水準・年金の不足分を補う資産額について、同庁は意見募集の回答で「公表することは予定しておりません」としている。日本語能力の評価方法も、「令和9年4月の運用開始までに適切に検討・公表してまいります」とされ、現時点では未公表である。申請を予定する場合は、自分がどの区分に当たるかを上記の表で確認しておきたい。
出典: 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」 /出入国在留管理庁「「永住許可に関するガイドライン」の適用について」 /出入国在留管理庁「永住者の在留資格の取消しに関するガイドラインについて」 /e-Gov パブリック・コメント「永住許可に関するガイドライン案改定に係る意見募集の結果について」