入社当日から始まる外国人雇用状況の届出・社会保険・在留カード確認の手順と、生活立ち上げ支援の実務ポイントを解説します。

在留資格の許可が下り、入国が済んだら、いよいよ入社の日を迎えます。しかし企業にとって、ここから新たな実務が始まります。外国人社員を雇い入れる際には、日本人社員と共通する手続きに加え、外国人雇用に特有の法定届出がいくつか求められます。
これらの手続きには期限が定められているものがあり、履行を怠った場合に罰則が設けられているものもあります。採用担当・総務担当が入社手続きの前に全体像を把握しておくことが、スムーズな受入れの第一歩です。
本記事では、外国人採用の流れにおけるSTEP 6として、入社時に必要な法定手続き、在留カードの確認、社会保険・税務の対応、そして社員の生活立ち上げ支援のポイントをまとめます。なお、手続きの具体的な内容は随時変更される場合があります。最新情報は各官公庁の公式ページでご確認ください。
外国人を雇い入れた際、または離職させた際には、すべての事業主がハローワーク(公共職業安定所)に「外国人雇用状況の届出」を提出する義務があります。この届出は外国人労働者の雇用の安定・改善を図る目的で設けられており、外交・公用の在留資格を持つ方および特別永住者を除くすべての外国人労働者が対象です(参考:外国人雇用状況の届出について(厚生労働省))。
届出の期限は、雇用保険の被保険者かどうかによって異なります。
届出の際には、外国人労働者本人から在留カードまたは旅券(パスポート)の提示を受け、届出事項を確認してください。在留カード等の写しの添付は不要です。届出を怠った場合や虚偽の届出をした場合、30万円以下の罰金が科される場合があります。
届出方法は、雇用保険に関する届出書類(様式2号・4号)の活用のほか、専用の「外国人雇用状況届出書(様式3号)」の提出でも対応できます。e-Govや外国人雇用状況届出システムを利用した電子申請も可能です。
入社時には、在留カードの内容を改めて確認することが重要です。面接・選考の段階で確認していた場合でも、入社日に原本を提示してもらい、最新の状況を確認するようにしてください。
確認すべき主なポイントは次のとおりです。
在留カードにはICチップが内蔵されており、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」を活用することで、カード面の記載と IC チップの情報を照合し、偽変造の有無を確認することができます(参考:在留カード等読取アプリケーション(出入国在留管理庁))。
在留カードのコピーを保管するかどうかは、個人情報保護の観点から社内規定に従い適切に管理してください。なお、入社後も在留期限の管理を継続的に行い、更新時期が近づいたら早めに本人に声がけすることが定着支援にもつながります。
外国人社員であっても、社会保険(健康保険・厚生年金保険)や雇用保険の適用は、日本人社員と基本的に同じ条件で行われます。日本年金機構の案内によれば、適用事業所に常時使用される70歳未満の方は、国籍に関わらず厚生年金保険・健康保険の被保険者となります(参考:日本年金機構 適用事業所と被保険者)。雇用後5日以内に「被保険者資格取得届」を日本年金機構(事務センターまたは年金事務所)へ提出する必要があります。
税務については、社員の居住状況により源泉徴収の取扱いが異なる場合があります。所得税法上の「居住者」と「非居住者」の区分によって適用される税率が変わるため、入国直後の取扱いについては、国税庁の案内を参照するとともに、必要に応じて税理士等の専門家への確認をお勧めします(参考:国税庁 非居住者等に支払われる給与等)。
マイナンバー(個人番号)の収集は、社会保険・税の手続きにあたって必要です。外国人社員が市区町村の窓口で住民登録を行うと、マイナンバーが付番されます。手続きが済んだ段階でマイナンバーを確認し、適切に管理してください。
外国人社員が着任直後から職場でパフォーマンスを発揮できるよう、仕事の環境と並行して、生活基盤の立ち上げをサポートすることが早期定着につながります。企業として検討できるサポートをいくつか挙げます。
住居の確保 外国人が日本で住居を借りる際、保証人の確保や入居審査において困難が生じる場合があります。社宅・提携物件の提供、あるいは外国人受入れ実績のある不動産会社や保証会社の紹介など、企業として支援できることを事前に整理しておくとよいでしょう。
住民登録とマイナンバー 日本に入国・転入した外国人は、居住する市区町村の役所で住民登録を行う必要があります。住民登録に基づいてマイナンバーが付番されるため、社会保険や税務の手続きを進めるうえで早めに対応を促してください。
銀行口座の開設 給与振込のために銀行口座の開設が必要です。金融機関によっては、在留カード・パスポートに加えて住民票など複数の書類を求める場合もあります。来日直後は書類の準備に時間がかかることもあるため、入社オリエンテーションで早期に案内しておくことが望ましいです。
入社オリエンテーション 就業規則や社内ルール、緊急連絡の手順など、外国人社員にとってとくにわかりにくいポイントを整理し、必要に応じてやさしい日本語や多言語の資料を活用してください。言葉と文化の両面での丁寧な説明が、その後の定着に大きく影響します。
📋 入社手続きの進め方についてご不明な点はありますか?
外国人雇用状況の届出のタイミング、社会保険の加入手続き、在留カードの確認方法など、受入れ準備に関するご質問がございましたら、弊所にお気軽にご相談ください。まずはお気軽にご相談ください。
在留資格が許可されてからが、企業としての受入れの本番です。外国人雇用状況の届出・在留カードの確認・社会保険の加入手続きは、それぞれ期限や注意点があります。手続きの漏れがトラブルや罰則につながる場合もあるため、入社日より前にチェックリストを準備し、余裕を持って進めることをお勧めします。
外国人採用の全体像は外国人採用の流れで、採用を検討するうえでの考え方は外国人採用はビザ申請の前から始まるでも解説しています。入社後の定着支援(STEP 7)については、続く記事でご紹介します。
🧭 外国人材の採用から受入れまで、ワンストップでサポートします
外国人材紹介サービスでは、ビザ申請のサポートから入社後の生活立ち上げ支援まで、企業様の外国人採用を総合的にお手伝いします。まずは受け入れ可否のセルフチェックからお試しください。