外国人採用に伴う3つの在留資格手続きの違いと流れ、転職時の届出義務を整理します

外国人材を採用する際、「ビザの申請」という言葉はよく使われますが、正確には日本で就労するための「在留資格」に関する申請手続きが必要になります。この手続きは候補者の現在の状況によって異なり、大きく3種類に分かれます。
採用が内定したら、次に検討すべきは「この方はどの手続きを経て、いつ入社できるのか」という点です。手続きの種類によって申請期間や必要書類が異なるため、採用計画と並走して準備を進めることが重要です。
本記事では、在留資格認定証明書の交付申請・在留資格変更許可申請・就労資格証明書という3つの手続きの違いと流れ、および転職時に外国人本人に課される届出義務を整理します。在留資格の選び方については前のステップ(在留資格の確認・検討)をご参照ください。外国人採用の全体像は外国人採用の流れでご確認いただけます。
在留資格に関する手続きは、候補者が現在どこにいるか・どのような在留資格を持っているか・新規採用か転職かによって選択肢が変わります。
**在留資格認定証明書交付申請(COE申請)**は、海外在住の外国人を招へいする際に使う手続きです。入国前に在留資格の認定を受け、在外公館でのビザ申請を円滑にするための証明書を取得します。
在留資格変更許可申請は、すでに日本に在留している外国人が、現在と異なる在留資格に切り替える際に行う申請です。留学生を新卒採用するケースや、別の就労系資格から変更が必要になるケースが該当します。
就労資格証明書は任意の証明書です。転職後の就労活動が現在の在留資格に適合しているかを入管局に確認してもらうためのもので、法的な義務はありませんが、企業・外国人双方にとって適合性を事前に確認できる安心材料となります。
海外在住の外国人を採用する場合、本人が入国する前に在留資格認定証明書交付申請を行います。交付された証明書を在外公館(大使館・領事館)に提出することで、査証(ビザ)の発給や上陸許可を円滑に受けることができます。
申請者は、外国人本人のほか、受入機関(雇用企業)の職員、または弁護士・行政書士等が申請取次者として手続きを行うことができます。企業側が積極的に関与できる手続きのため、受入準備と並行して進めることが一般的です。
標準処理期間はおおむね1〜3ヶ月とされており、内定から入社まで一定の期間を見込んでおく必要があります。申請手数料はかかりません。なお、2023年3月より証明書を電子メールで受け取る方法も利用可能になっています。
必要書類の内容は就労予定の在留資格の種類によって異なりますが、雇用契約書・会社の事業内容や財務状況がわかる資料・採用に至る経緯などが求められる場合があります。採用計画の段階で職務内容や雇用条件を明確にしておくことが、書類準備の精度を高めることにつながります。
📋 必要書類・準備期間についてのご相談
認定証明書の申請に必要な書類は、企業の業種・規模・候補者の経歴によって異なります。まずはお気軽にご相談ください。
すでに日本に在留している外国人が、これまでと異なる活動(就労)を行うために在留資格を変更する場合は、在留資格変更許可申請が必要になります。代表的な例として、留学の在留資格を持つ学生を新卒採用し、就労系の在留資格へ切り替えるケースが挙げられます。
申請者は、外国人本人のほか、雇用企業の職員・弁護士・行政書士等が申請取次者として手続きを行うことができます。
標準処理期間はおおむね1〜2ヶ月とされていますが、実際には2〜3ヶ月ほどかかるのが実情です。現在の在留期間が残っているうちに申請を行う必要があるため、在留カードの在留期限を確認しながらタイミングを計ることが重要です。許可時には申請手数料として6,000円(オンライン申請の場合5,500円)が発生します(2026年7月1日現在の手数料です)。
変更後の在留資格の種類に応じた申請書類を準備する必要があり、職務内容・学歴・職歴と在留資格の適合性が審査されます。内定時点で職務内容を明確に整理しておくことが、審査のスムーズな通過につながります。
就労資格証明書とは、外国人が行おうとする就労活動が現在の在留資格に基づいて認められているかを証明する任意の書類です(参考:出入国在留管理庁)。転職の場合、転職先での業務内容が現在の在留資格に適合しているかを事前に確認できるため、企業・外国人の双方にとって有益な手続きとなります。
標準処理期間は、転職など勤務先の変更を伴う場合、1〜3ヶ月程度かかることがあります。手数料は2,000円(オンライン申請の場合1,600円)です。
一方で、転職・退職・就職や、所属機関の廃業・名称変更などが生じた場合、外国人本人には契約機関に関する届出の義務があります。事由が生じた日から14日以内に入管局へ届出を行う必要があります。
この届出は外国人本人が行うものであり、雇用企業が代わりに行う制度ではありません。対象となる在留資格は技術・人文知識・国際業務・高度専門職・研究・介護・技能・特定技能などです。届出方法はオンライン・窓口・郵送のいずれかで行うことができ、オンライン申請の場合は添付書類が不要となります。
外国人を受け入れる企業としては、転職や退職が発生する際にこの届出義務があることを、あらかじめ外国人本人に案内しておくことが望ましいでしょう。
在留資格の申請手続きは、候補者の現在の状況によって認定証明書・変更許可申請・就労資格証明書のいずれかを選択することになります。それぞれに標準処理期間があり、採用スケジュールに直接影響するため、内定後できるだけ早く手続きの見通しを立てることが大切です。
なお、今回は詳しく触れていませんが、審査では受入企業の財務状況や申請人のこれまでの在留状況も確認されます。
また、転職が発生する場合は就労資格証明書の活用とあわせ、外国人本人の届出義務(事由から14日以内)についても事前に確認しておくとよいでしょう。
外国人採用の7つのステップ全体については外国人採用の流れをご覧ください。採用を始める前に押さえておきたい考え方については外国人採用はビザ申請の前から始まるもあわせてご参照ください。
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