在留期間の管理から特定技能の法定支援・届出義務まで、入社後も続く企業の役割を整理します。

外国人社員の受け入れは、入社手続きが完了した時点で終わりではありません。在留資格には有効期限があり、就労を継続するためには更新の管理が必要です。また、在留資格「特定技能」で受け入れた場合には、法定の支援計画を実施し、定期・随時の届出を行う義務が受入れ機関に課されます。
こうした法的義務の履行に加え、文化的・言語的な壁を超えて外国人社員が職場に定着し、長期にわたって活躍できる環境をつくることが、企業としての重要な役割となります。
外国人採用の流れでご紹介した7つのSTEPのうち、STEP 7「定着支援」は、採用後も継続して取り組む段階です。各STEPの全体像は同記事をご覧ください。
外国人社員の在留期限は、付与された在留資格の種類や申請の審査状況によって異なります。在留期限が切れたままの状態で就労を継続することは、本人にも雇用主にも法的なリスクが生じる可能性があります。
在留期間更新許可申請は本人または取次者が行うものですが、標準処理期間として2週間〜1か月程度を要する場合があります。準備の目安として、在留期限の3か月ほど前からの着手が一般的とされています。
企業としては、在籍する外国人社員の在留期限を一覧で把握し、更新時期が近づいた際に早めに本人へ連絡する仕組みを整えることが望まれます。更新申請には、勤務先が作成または証明する書類(雇用契約書・給与明細・登記事項証明書など)が必要になる場合があります。実際には、勤務先で書類の作成や資料の収集を行うのが一般的です。担当者が必要書類を事前に確認し、速やかに対応できる体制を備えておくことをお勧めします。
在留資格「特定技能1号」の外国人を受け入れた企業(受入れ機関)には、法定の支援計画を作成・実施する義務があります。支援は受入れ機関が自ら行うか、政府に登録された登録支援機関に全部または一部を委託することができます。支援の全部を委託した場合、受入れ機関はその義務を果たしたものとみなされますが、受入れ機関としての責任がなくなるわけではありません。
出入国在留管理庁が定める10の義務的支援項目は以下のとおりです(参考:特定技能外国人の支援に関する運用要領等(出入国在留管理庁))。
これらの支援は、単なるサービス提供にとどまらず、受入れ機関に法的に義務付けられたものです。実施状況の記録と保管も求められます。
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特定技能外国人を受け入れた機関には、出入国在留管理庁への届出が義務付けられています。届出には「定期届出」と「随時届出」の2種類があります(参考:受入れ・活動・支援実施状況に関する届出様式(出入国在留管理庁))。
定期届出は、受入れ・活動・支援の実施状況を年1回報告するものです(対象期間:毎年4月1日〜翌年3月31日、提出期限:翌年5月31日まで。2026年4月以降の提出分から改正様式(様式第3-6号)が適用されます。参考:受入れ・活動・支援実施状況に係る届出作成要領(出入国在留管理庁))。
随時届出は、特定の事由が生じた際にその都度届け出るものです。主な事由としては、支援計画の実施が困難になった場合(様式第3-7号)、支援実施中に特異事項が生じた場合(様式第4-3号)、外国人が1か月以上活動していない場合(様式第5-14号)、行方不明者が発生した場合(様式第5-15号)などがあります。
届出を怠った場合には、制度上のペナルティが生じる場合があります。支援担当者または委託先の登録支援機関と連携し、届出スケジュールと実施記録の管理体制を整えておくことが重要です。
外国人社員が転職または退職する際には、在留資格の種類を問わず、本人が出入国在留管理庁への届出を行う義務があります。入管法上、事由が生じた日から14日以内に届け出ることが定められています(参考:契約機関に関する届出(出入国在留管理庁))。
届出が必要となる主な事由は次のとおりです。
届出方法は、オンライン・入管窓口への持参・郵送の3通りから選択できます。なお、オンラインで届け出る場合、届出事項を証する資料の提出は不要とされています。
企業側は退職手続きの中で、本人がこの届出義務を認識しているかどうかを確認し、必要に応じて届出方法を案内することが望まれます。届出を怠ると、次回の在留期間更新等に影響が生じる可能性があります。
また、ハローワークへの外国人雇用状況の届出(離職時)は雇用主側の義務として別途発生します(参考:外国人雇用状況の届出(厚生労働省))。入社・受入れ(STEP 6)の手続きと同様に、退職時にも忘れずに対応が必要です。
法的義務の履行と並行して、外国人社員が職場に定着し、長期にわたって活躍できる環境づくりに取り組むことも企業の重要な役割です。以下にいくつかの実務的な視点をご紹介します。
外国人社員の定着支援は、入社後も継続して取り組む段階です。在留期間の管理、特定技能であれば法定支援計画の実施と定期・随時届出の遵守、転退職時の本人への届出案内、そして職場環境の整備――これらを組織として体系的に対応することが、長期的な雇用関係の基盤となります。
特に今後は、日本語能力の向上があらゆる在留資格に関連していく傾向が強まると見込まれます。そのため、日本語教育も定着支援の重要な取り組みのひとつとお考えください。
採用から在留資格の申請・更新・変更まで、外国人採用プロセス全体の流れは外国人採用の流れをご参照ください。また、採用の背景にある考え方については外国人採用はビザ申請の前から始まるもあわせてご覧ください。
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